2016年10月15日(土)

日時 2016年10月15日13時30分
 講義題目 051 法律の爆発的増加と法令工学
講師 中央大学研究開発機構教授 片山卓也
講義概要

我々の社会は極めて多数の法律によりその構造や活動が定められています。この内、憲法や民法など解釈の幅の大きなものを除き、年金や税金などに関する法律は、社会の基盤情報システムとして実現されて直接我々の生活を支えています。このような法律を正しく作り、社会の変化に応じて変更出来ることは我々の社会生活にとって極めて重要です。これまで法律は専門家の献身的努力により作られて来ましが、法律の爆発的増加により人力のみによる法律の作成が困難になりつつあり、最新のIT技術を使った新しい法律作成の方法が求められています。法令工学は、法律は社会のソフトウェアであるという立場から、最新の計算機科学やIT技術を利用して、行政法や自治体の条例などを系統的につくることを目的とする研究分野です。まだ研究段階ですが、法令工学の目指すところや幾つかの話題についてお話しをします。

備考  
講師紹介

中央大学研究開発機構法令工学研究ユニット機構教授、情報通信研究機構R&Dアドバイザー。

東京工業大学修士(1964年)、工学博士(1971年)、東京工業大学助教授・教授(1974〜1996年)、

北陸先端科学技術大学院大学教授(1990〜2008年)、同学長(2008〜2014年)。

ソフトヱエア工学の研究、特に、高信頼ソフトウェア、ソフトウェア進化の研究に従事。文部科学省21世紀COEプログラム「検証進化可能電子社会―情報科学による安心な電子社会の実現-」(2004〜2008年)において、法律は社会を動かすソフトウェアであるとの立場から、法律を最新の情報科学により作成する「法令工学」の研究を開始した。