2016年9月17日(土)

日時 2016年9月17日13時30分
 講義題目 041 カリフルニア便り 進みすぎているアメリカの金融化 (遠隔講義)
講師
サンフランシスコ州立大学講師  渋谷裕司
講義概要

アメリカでは、過去35年の間に、金融は、資金の需給を仲介する役割から、金融自体が経済・企業経営、市民生活を牛耳るようになりつつある。 2007年から2008年の金融危機にもかかわらず、この傾向は再燃し、日本を含む他国にも飛び火している。企業の経営目標は、企業価値最大化、 すなわち株主の利益最大化、と唱えられ、金融的手法で、短期的成果を演出し、株価を維持する手法が蔓延している。市場原理、自己責任などの掛け声の中、市民生活は、クレジット カード、住宅ローン、確定拠出年金、さらには学資借り入れなどで、金融に支配され、金融運が格差を広げてしまっている。このように、金融の社会的インパクトが増大した状況は、金融化(Financialization)と言われ、政治も、この流れを抑えることが出来ない状況である。 進みすぎた金融化の中、企業経営や市民生活は今後どうなるのだろうか。

備考 カリフォルニアからインターネット経由の講義。
講師紹介

HYS Associates社オーナー、サンフランシスコ州立大学講師。

数学でPhD(ミシガン州立大学)と理学博士(東京工業大学)取得後、

日本とアメリカで、金融資本市場、IT関連業務に従事。

HYS Associates社はサンフランシスコ郊外にある調査、提言、翻訳、研修

を行うコンサルティング会社。近年、サンフランシスコ州立大学ビジネス学部の

ファイナンス学科とデシジョンサイエンス学科で毎学期200人以上の学生に講義を行っている。